ライバーとして事務所に所属する際、「契約書」を交わすのは避けて通れません。
しかし、「契約書に何が書かれているのか」「どんな項目に注意すべきか」を理解しないまま署名してしまい、後からトラブルに発展するケースも少なくありません。
この記事では、ライバー事務所との契約書に盛り込まれる主な条項や注意点、トラブルを防ぐためのチェックポイントをわかりやすく解説します。
これからライバー事務所に所属したい方、あるいは契約更新を控えている方は、ぜひ参考にしてください。
ライバー事務所の契約書とは?

ライバー事務所の契約書とは、ライバーと事務所が交わす所属契約書のことです。
お互いの「権利と義務」「報酬」「契約期間」などを明確に定めることで、後々のトラブルを防ぐために締結されます。
契約形態の多くは「業務委託契約」です。
ライバーは事務所に雇用されるわけではなく、独立した個人事業主として活動するケースが一般的です。
そのため、労働基準法の保護が適用されない点には注意が必要です。
契約書に盛り込まれる主な条項とその意味
ここでは、ライバー事務所との契約書で特に重要となる項目を解説します。
事務所の役割とサポート内容
事務所がどのような支援を行うのかを明記する項目です。
例
- 配信ノウハウの提供
- イベント・案件の紹介
- マネジメントやSNS運用サポート
この内容が曖昧だと、後から「思っていたサポートが受けられない」というトラブルに発展することがあります。
契約前に「どの範囲まで支援してもらえるか」を確認しておきましょう。
ライバーの義務と活動ルール
ライバー側の責任や義務を定める項目です。
一般的には次のような内容が含まれます。
- 毎月〇時間以上の配信を行う
- 配信内容や発言において法令を遵守する
- 事務所の承諾なく他の事務所・企業と契約しない
ノルマや活動制限の条件は事務所によって異なります。
「どこまでが自由で、どこからが制限か」をしっかり確認しましょう。
報酬・収益分配に関する条項
ライバー契約でもっとも重要な部分が報酬に関する条項です。 以下のような仕組みが一般的です。
| 契約タイプ | 内容 |
|---|---|
| 歩合制 | 投げ銭収益やPR案件をライバーと事務所で分配 (例:ライバー70%、事務所30%) |
| 時給制 | 配信時間に応じて固定報酬を支給 (例:1時間○○円) |
| ボーナス制 | 特定イベントや条件達成時に追加報酬を支給 |
報酬率や支払いサイクル(例:月末締め翌月払い)を明確にしておかないと、「未払い」「計算ミス」といったトラブルにつながります。
費用負担の明確化
配信機材・交通費・イベント参加費など、どちらが費用を負担するのかを明記する項目です。
一般的には、以下のような形で取り決められます。
- 機材費・通信費 → ライバー負担
- イベント・案件出演に伴う交通費 → 事務所負担
費用の境界が曖昧だと、後から「経費の請求ができない」などの問題が発生するため注意が必要です。
知的財産権(著作権・肖像権)の取り扱い
ライバーが配信中に作成した動画や音声、画像などに発生する著作権の扱いを定める項目です。
多くの契約では次のいずれかの形を取ります。
- ライバーに権利が帰属する:
事務所はライバーの許可を得て利用できる - 事務所に権利が帰属する:
配信データや素材を自由に利用できる
著作権を事務所にすべて譲渡する形は、ライバー側に不利となるケースが多いため要注意。
将来的に配信内容を再利用したい場合は、「事務所に利用を許諾する」形が最もバランスが良いといえます。
禁止事項と遵守事項
ライバー事務所との契約では、禁止事項の項目が非常に重要です。
代表的な内容は以下の通りです。
- 他事務所との掛け持ち・無断契約
- 事務所を通さず企業案件を受ける行為
- 誹謗中傷・暴言・センシティブな配信内容
- 配信中の違法行為(著作権侵害・賭博など)
違反した場合は契約解除や違約金が発生する場合もあります。
特に「事務所の評判を落とす行為」は厳しく規定される傾向があります。
契約期間と更新条件
ライバー契約は、1年更新の短期契約制が主流です。
長期契約の場合、ライバー側が契約解除を希望しても期間中は活動を制限されることがあります。
- 契約期間:1年間
- 更新条件:「双方が1か月前までに解約通知をしない場合、自動更新」
という形が一般的です。
「途中で辞めたい場合、違約金がかかるか?」も必ず確認しておきましょう。
契約解除・違約金に関する条項
ライバーがルール違反をした場合に備え、契約解除や違約金の規定を設けるのが一般的です。
例
- 禁止行為を行った場合、即時契約解除
- PR案件に損害を与えた場合、損害額全額を賠償
ただし、法外な違約金や一方的な解除権は法律上無効となる可能性があります。
不明点がある場合は、専門家に相談しましょう。
契約書に不備があると起こるトラブル事例
契約書が不明確な場合、以下のようなトラブルに発展することがあります。
| トラブル内容 | 原因 |
|---|---|
| サポート内容の食い違い | 契約に明記されていなかった |
| 報酬未払い・計算トラブル | 支払いルールが不透明 |
| 知的財産の権利問題 | 著作権の帰属が曖昧 |
| 一方的な契約解除 | 解除条件が明示されていない |
契約書は「平時には意味がなくても、トラブル時にこそ効力を発揮する」ものです。
署名前に必ず確認を行い、理解できない内容があればそのままサインしないようにしましょう。
契約トラブルを防ぐための3つのチェックポイント
- 契約内容を理解するまでサインしない
「他の人も同じ契約だから大丈夫」と言われても、必ず自分で読み込みましょう。 - 報酬と契約期間は書面で明確にする
口約束は無効。必ず契約書に記載があるか確認を。 - 契約書をコピーして保管する
後から見返せるように、必ず控えを手元に残しておくことが大切です。
安心して所属できるライバー事務所を選ぶなら
契約書の内容や報酬体系が明確で、ライバーを大切にしてくれる事務所を選ぶことが重要です。
たとえば、Neo Bright(ネオブライト)のような信頼性の高い事務所では、以下のような特徴があります。
- 契約内容・報酬体系をライバーに完全開示
- 専属マネージャーが契約・法務面もサポート
- 芸能活動や副業との両立にも柔軟に対応
透明性の高い契約を結ぶことで、安心してライバー活動に集中できます。
まとめ
ライバー事務所との契約書は、トラブルを防ぎ、安心して活動を続けるための最も重要な書類です。
特に以下の項目は必ずチェックしておきましょう。
- 事務所のサポート範囲
- 報酬・還元率の明示
- 禁止事項と解除条件
- 知的財産の扱い
納得できない条項があれば、その場で質問・修正を求めるのが正しい判断です。
「契約書を読むのは面倒」ではなく、「自分の活動を守る盾」だと考えて慎重に対応しましょう。

